父親が3才までの子育てでやるべきこととは? 外山滋比古の講演会でつかんだヒント

こんにちは、漫画家一星です。一児の父です。

私は子どもの就寝時に絵本の読み聞かせをすることがあります。そのときの読みかたはちょっと変則的で、途中で読むのを止めて、「このあとどうなったのかな?」とか「なぜ、そんなことになったのかな?」という問いかけをします。

なぜ、この絵本の読み聞かせのスタイルを実践しているか、一言で表現すると子どもには「自分で考える力」を付けてほしいからです。

漫画日記

 

 

いま世間のニュースでよく報道されている、「人工知能(AI)が人間から労働を次々と奪っていく、だから人間に必要とされているのは自分で物事を考えて作り出す力が必要だ」という話。子どもが成人するころには現実になっている可能性が高いです。

私のような子どもを持つ親は、そんな来るべき世界に備えて、子どもの教育を考えていることでしょう。100%正解という道筋はありませんが、「子どもが自分で考える力」を身に付けさせたいと考えている父親の方が参考になるようにこの記事を書いています。

 

そもそも、子どもは生まれたときから天才。だけど現代の環境がそれをつぶしている

これから書くのは2014年12月22日に私が参加したある講演会の内容を整理したものです。

登壇者は外山滋比古(とやましげひこ)氏でした。テーマは「家庭という学校」。

外山滋比古といえば「思考の整理学」という書籍が有名です。「知識をつめこむだけでは意味がない、いかに考える力を養うか」といった考えることをテーマに書かれており、1983年に出版されてからも、いまだに売れ続けているベストセラーです。(2018年時点で、200万部を超える)

私は「思考の整理学」だけでなく、著者の書籍をいくつか購読していました。そのなかで、子育てに関して意味深なことが書いてあり、強い関心を覚えていました。その著者の講演会があることを知った私は、会社を休んで会場へ駆けつけたのです。

先に講演内容を言ってしまうと、外山滋比古氏が講演会の最初に「どうすれば次の世代を立派な人間に育てられるか?」を大きな課題として挙げ、しかし「子どもは生まれたときから天才。だけど現代の環境がそれをつぶしている」ことが問題で、結果的に「人間性が乏しくなり、生きていく力が衰えている」というものでした。

現代の環境の何がよくないのかが一つ一つ語られ、そして最後に、「いかにして、子どもが生まれたときからもっている才能を引き出すか?」という問題が提起されたところで講演会は終了したのです。

私は問題の解決策が提示されなかったため、どうすればいいのかとてもヤキモキしました。が、しかしそこは「考えること」をテーマにもつ外山滋比古氏。何が問題かを知ることで、今後何をすればよいのか、その解決策のヒントが散りばめられたすばらしい講演でした。

 

「子どもを立派な人間に育てる」ためには何が必要か

子育てに何が必要か、「環境」という切り口で考えてみましょう。すると、学校や塾といった回答が挙がりそうですが、この講演会では家庭環境が何よりも大事であると言われていました。

しかし昔と違って、現代の家庭環境は「子どもを立派な人間に育てる」ためには十分ではありません。問題として1つ「親」が挙げられていました。それは、子育てを知らない親が増えているということです。

 

生まれたばかりの動物と人間の子どもの違いは何?

動物は生まれてから1ヶ月程度で親のマネをして、生きていくために必要なことを習得します。

一方、人間は未熟児で生まれるので、初めは保護する必要があります。ある程度成長すると、歩き方や寝る姿勢、言葉などを「教えるべき時期」に親が正しく教える必要があるのですが、それができていないのです。

「三つ子の魂百まで」という言葉があります。なぜ「三つ子=3才」なのか? その理由は、人間は約40ヶ月で言葉を覚えるので、その40ヶ月のあいだに子どもが耳にした言葉が、子どもの人間形成にとても大きく関わってくるからです。

この40ヶ月の間に、言葉による良い刺激を子どもに与えることが大事なのです。それは両親の会話だったり、良いTV番組です。しかし現代では「マンマ(ごはん)」とか「ブーブー(くるま)」など、赤ちゃんが発する言葉に合わせて言っていませんか?

赤ちゃんは周りの環境で発せられている言葉を聞いて、言葉の学習をしています。親が赤ちゃんの言葉にレベルを下げてしまっては意味が無いのです。

 

「鉄は熱いうちに打て」…

冒頭、私は絵本を読む時に「このあとどうなったのかな?」とか「なぜ、そんなことになったのかな?」という問いかけをするスタイルだと書きましたが、もう1つやっていることがあります。それは、大人が会話で発する言葉と発音で、感情豊かに声に出して読む、ということです。いま、幼い子どもをもつ父親のみなさんには、ぜひ、子どもが寝る前の5〜10分、絵本の読み聞せをしましょう。

 


私の反省は、子どもが幼稚園児のときに、もっと多くの絵本の読み聞かせをしてあげたかったことです。子どもは小学1年生になりましたが、今でも就寝前に絵本を読んであげると言うと喜んで聞いてくれますが、以前に比べるとあまり食いつきはよくありません。

外山滋比古氏が言った「小学校に入ったあとは、冷めた鉄を叩くようなもの」という言葉が重くのしかかります。「鉄は熱いうちに打て」、「三つ子の魂百まで」…つまり、3才までが、子どもが生まれたときからもっている才能を引き出す大事な時期なのです。

「どうやって次の世代を立派な人間に育てられるか」、親に課せられた使命、本質を突いたその一言が、いまも心に深く刻まれています。

え、今晩会社の飲み会がある?

「絵本の読み聞かせがあるんで、失礼します」

漫画日記