

私は当時20才になるまで、海外へ行ったことは一度もありませんでした。
そんな私がなぜ、中国へ行くことになったかと言うと…

日本でアラビア語を教えていた大学は、3つくらいしかなかったかと思います。

アラビア語にとっても興味があった…わけではなかった私。

…しかも倍率1.1倍とかでした。
大学で2年間が終わろうとしたころ転機が。
大学側が短期留学プログラムを発表。

いずれも現地で語学と文化を学ぶ内容でした。
チュニジアはアラビア語、イギリスは英語、中国は中国語。

アラビア語圏ではなく、中国を選択した私・・・。

行き先は、中国の浙江省杭州市(せっこうしょう こうしゅうし)。
女子十二楽坊や、元モー娘。の中国人リンリンの出身地だったりと注目されるようになるのは…未来の話。

私の大学と交流関係があったことから、浙江大学という学校が短期留学先でした。

2015年の中国の大学ランキングでTOP4の、とっても優秀な大学。
その優秀な大学の、日本語学科の学生と交流会をすることに。

見た目があまり変わらないアジア人同士…とはいえ、初めての外国人にとまどう私。

そして、とってもスラスラと日本語を話す浙江大学の学生さんに圧倒される私。

好きな映画は大島渚や黒澤明、音楽は尾崎豊などとスラスラと日本語で話す彼。

このとき驚いたのは、日本へ行ったことがないのに日本語がめちゃくちゃ上手だったこと。
大学で2年間勉強しただけで話せるようになったとか。

そんなスラスラと日本語を話す、現地の日本語学科の学生を前に、超キンチョーする私…。

私が唯一話せたのは、教科書に載っている、おきまりのあいさつフレーズでした。

一瞬で終わる私の中国語での自己紹介。
それに対して、フォローをしてくれた彼。

「自分も、スラスラと中国語を話せるようになる!」
「この短期留学で出会った中国人の学生さんたちと、もう一度会って、中国語で会話するんだ!!」
私が中国留学をするきっかけとなったエピソードでした。ということで短期留学から帰国した私はさっそく計画を立てました。
「大学を卒業したら中国へ語学留学する! 以上!!」
ざっくりとした目標を立てた私は就活もせず、アラビア語はすっかりほったらかして、アルバイトに明け暮れるのでした。
つづく